東京理科大学 教授 小林宏

自分が生きていく上で一番嫌なことは何かなって考えて、 “動けなくなること” “自立できなくなること” だと思ったので、人の体を動かせるようになるものを作ろうと。

【原点は、「モノづくりで人の役に立つこと」】

大切にしてきたのは、エンジニアの本懐である「人の役に立つモノをつくる」ということです。
私は大学の研究者の立場ではありますが、論文を書いて終わりではなく、実際に製品をつくり、世に出し、使ってもらいたいという思いを持ってこれまで研究開発を続けてきました。
きっかけは大学院時代のスイスへの留学(1996-1997)でした。当時はロボットとのコミュニケーションに興味があり、人間と同じような表情をするロボットなどを製作していました。いつか感情を持ったロボットをつくりたいと考え、1996年に人工知能(AI)の先端研究をしていたスイスのチューリッヒ大学に留学をしたのです。
しかし、実際に留学をしてみると、私が目指していた「人間と同じ水準の人工知能」の実現にはまだまだ時間がかかり、大きな技術革新が必要だと感じました。
もちろん研究を続ける道もありましたが、改めて自分は何をするために研究者になったのかを自問自答して思い至ったのが、実際に目の前にいる人たちの役に立つ商品をつくりたいという思いだったのです。

【マッスルスーツの開発】

私は研究者の立場ではありますが、論文を書いて終わりではなく、実際に製品をつくり、世に出し、使ってもらいたいという思いを持ってこれまで研究開発を続けてきました。
きっかけは大学院時代のスイスへの留学でした。当時はロボットとのコミュニケーションに興味があり、人間と同じような表情をするロボットなどを製作していました。いつか感情を持ったロボットをつくりたいと考え、1996年に人工知能(AI)の先端研究をしていたスイスのチューリッヒ大学に留学をしたのです。
しかし、実際に留学をしてみると、私が目指していた「人間と同じ水準の人工知能」の実現にはまだまだ時間がかかり、大きな技術革新が必要だと感じました。
もちろん研究を続ける道もありましたが、改めて自分は何をするために研究者になったのかを自問自答して思い至ったのが、実際に目の前にいる人たちの役に立つ商品をつくりたいという思いだったのです。
※「マッスルスーツ」は株式会社イノフィスの登録商標です。

【マッスルスーツをヘルスケア分野に応用】

“マッスルスーツは作業者のアシスト装置として商品化を進めてきました。しかし、研究を進めると、マッスルスーツを装着して運動することで短時間で姿勢が整い、インナーマッスルの強化や腰痛改善など健康面で大きな効果があることがわかってきたのです。
そこで、マッスルスーツを作業者のアシスト装置としてだけではなく、ヘルスケアを目的にしてマーケティング・販売を行い、事業として拡大しようと今回CoreHealthを創業しました。
CoreHealthでは「すべての人を『美しい姿勢』に」という理念を掲げています。デスクワークの増加やスマートフォンの長時間使用などによる姿勢の悪化は世界共通の課題です。姿勢が悪くなることで首や腰の痛みはもちろん、呼吸不全や消化不良、さらには自信喪失などメンタル面においても影響があると指摘されています。
そこで、CoreHealthでは「体と心の美しい姿勢」を支える商品をつくり、使っていただく人を増やすことで、健康で自立できる持続可能な社会の実現を目指したいと考えています。”

専門分野

知能機械学,福祉工学,画像処理,ロボティクス,メカトロニクス.

学歴・経歴

小林宏 / 東京理科大学 工学部 教授 1966年生まれ

静岡県立沼津東高校,東京理科大学 工学部 機械工学科 卒業
1995年3月 東京理科大学 工学研究科 機械工学専攻 博士課程修了 博士(工学)
1992年4月~1995年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC1)
1995年4月~1996年3月 東京理科大学工学部機械工学科 助手
1996年4月~1998年3月 日本学術振興会 海外特別研究員(チューリヒ大学)
1998年4月 東京理科大学工学部機械工学科 講 師
1999年4月 東京理科大学工学部機械工学科 助教授
2001年4月~2004年3月 科学技術振興事業団 さきがけ研究21「相互作用と賢さ」領域研究員
2008年4月 東京理科大学工学部機械工学科 教 授
2013年12月27日 株式会社イノフィス 創業 技術最高責任者
2023年9月13日 株式会社CoreHealth 創業 取締役会長

マッスルスーツ開発者